one.real

まぁ、プライベートでも話すようになってからはそんな印象も薄まったけど。

…本人こんなだし。

乗り込んだエレベーターの中でぼんやり出会いを思い出す俺は椎名さんとお喋りする心を見る。

目が合った心は口端をニヤリと上げた。


『俺らで対談とかウケんな!なに話そー』

『余計な話すんなよ?』

『さぁ?どーでしょう』



信用ならない返事に不安が過る。

マジで気を付けよ…。

密かに用心する俺をよそに心が『つーか、』と口を開く。


『最近雑誌とか見ると絶対お前いるんだけど』

『そりゃ居るだろ。俺一応モデルだって』


否定する俺に、心は顔の前で立てた手を大袈裟に振って訴える。


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