one.real
そんな風に思う俺の後ろ。
付いてくる心はそんな空気も目につかないようで、
ブーブー言ってるところから察するに、まださっきの話題で頭が占められてるらしかった。
『あーあ、お前がウチの事務所だったらなぁー、面白ぇのに』
『…嫌』
『あーおー』
『無理、あんなウィンクとか俺出来ない』
『そこかよ!つーか俺だってウィンクとかやってねぇよ!』
拗ねる心に笑顔が戻ったところでフロアの一番奥、撮影場所の部屋に着いた。
心と二人笑顔を保ったまま挨拶しながら中に入った。
『――じゃあ、現場は結構和気あいあいとした感じだったんだ?』