one.real

俺の弱音に返ってきたのは嘲笑いでも苦笑でもなく、


『その不良品を点検改修すんのが俺らだっつーの、そっから先はオトナの仕事だ』


俺の疑問や戸惑いを吸い込んで消化するような、余裕の笑み。

三浦さんは、ポン、と最後に俺の頭に手を置いて


『らしさがなくなる程大人ぶってたってお前はまだガキなんだから』




もっと甘えた坊主でいいんだよ

と、付け足した彼のその優しさは、この後話を聞かされた俺がそれこそ、それをやり過ごせるようにだったんだろうか。


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