左手の約束
「お前、馬鹿?」
北平はバッサリと言い切った。
…やっぱり話さなきゃ良かった。
「お前…顔も良くてなんでも出来るクセに馬鹿だな」
「なんだよそれ…」
褒めてんのか、けなしてんのか解んねぇよ。
「あの子の幸せなんてお前が決める事じゃねぇだろが。
…お前の幸せだってそうだ」
北平…?
「そりゃ…変わる気持ちもあるかもしんねぇ。
だけど
変わらない気持ちだってあると思わねぇ?」
変わらない…気持ち…?
「それに…
もっと強い想いに変わる気持ちも。
…今のお前みたいにな」
そう言って
北平はニカッと笑った。