左手の約束
一歩
《志保子side》
カタン…
あ……
あたしあのまま寝ちゃったんだ…
すっかり暗くなった部屋であたしはため息をついて立ち上がった。
もう
どうしたらいいのか解らない。
忘れる事も
諦める事も
前に進む事も
何一つ出来ない。
今のあたしは最悪だ。
「志保子〜?
ご飯出来たから降りてきなさい」
キッチンからお母さんの声が聞こえた。
皺くちゃになった制服を急いで脱いで部屋着に着替え部屋を出る。