左手の約束


「今の志保子は…あの頃にもどったみたいね」



やっぱりお母さんはすごい。


敵わないや…



それに比べてあたしは


小さい頃のように泣いてばかりで。


その頃よりもっと…


「楓くんね…
こっちに帰って来たの」


「あら…良かったじゃない」


「ん……
だけどね……」


あたしは楓くんとの出来事を話した。


楓くんの過去。


楓くんが感じて来た辛さ。


あたしとの…約束



―――そして


現在。








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