左手の約束


「泣いて気持ちは変わった?

泣けば諦める事が出来たの?」


「………」


泣いて…


諦めると決めた答え。


だけど


忘れるなんて出来ない。


あたしは……


「それじゃあ結局変われないわね?」


「お母さん…?」


「ほら
もう泣かないの」


もう一度、あたしの頬に触れる優しい手。


「ちゃんと前を見なさい?

そんなに強い想いなら貫き通してみたら?
最後まで頑張って頑張って…それでも駄目だったら
その時は泣いていいから」






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