左手の約束


また…恒例の学年集会。


普段なら、行きたいとすら思わない行事だけど。


今日はなんだか違って思えた。


A組とE組とじゃ離れてるのは代わりないのに。


自然と志保を探してる。


「楓…お前って解りやすいな(笑)」


くくっ、と北平が声を殺して笑う。


「何だよ…?」


絶対コイツ面白がってるよな。


「いや…
俺、お前の事もっと好きになりそう(笑)」


「うぇ、
止めてくれ…」


男に好きって言われても…


だけど、そんなやり取りにすら笑顔になる俺がいて。


「あそこにいるぞ?
志保ちゃん♪」」


「…お前が志保ゆうな」


「ぶはっ(笑)
やっぱ面白ぇよ、お前」










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