左手の約束


何も

言えなかった。




あたしは


“楓くんの為”と言いながら


結局は“自分の為”に行動してただけ。



東くんにも


あたしはどこか救われてた。




あの子も


真剣だったから、あたしが許せなかったんだろう。



最低だよ。




好きな人には


好きになってほしい。



それは誰でも思う事。





それはやっぱり


楓くんで。



たとえ恋人じゃなくても一緒に笑っていたい…なんて


ただのきれいごと。



本当はあたしを好きになってほしい。


あたしを…見てほしい。











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