左手の約束
「本当は…
ここに来るのが怖かったんだ。
でも
怖がる事なんてなかった」
………?
楓くん……??
あたしは夕日に照らされた楓くんを見つめていた。
「ここへ来たら…現実を突き付けられる気がしてさ。
…だけどこれで良かったんだ。
“今”こうして志保と一緒にいられるから」
「え……っ」
それは……
どう言う事………?
「俺さ、
志保といると笑ってる事に気付いたんだ。
今まで辛かった事なんてすごくちっぽけに思えるくらい(笑)」
うそ…………
「志保?」
「う〜……」