左手の約束
「今までごめん。
突き放すような事ばっかりして…」
あたしは楓くんの腕の中で首を振る。
「何度も…自分に言い聞かせたのに
やっぱ駄目だった。
志保しか考えられなかった。
…フラれたらどうしようかと思ったけど(笑)」
「あたしもだよ…!
どうしても楓くんの事しか考えられなくて…
楓くんには彼女がいるの……に…って
彼女はっ!?」
そうだよ!!
楓くんには彼女が……
「彼女…?
そんなんいねぇし(笑)
今、志保しか考えらんねぇって言ったばっかだろ?」
「えっ!?!?」
「あ〜まぁクラスの奴らには適当に答えてたからな…」
楓くんは苦笑しながら言った。