左手の約束


「あっ、ねぇ準備出来たんでしょ?…例の」


例の…?

「あ、うん」


「これからデート?」


「んー…今日はあたしの家でお祝いするの。
ケーキも焼いたし」


「へぇ…
家族とも上手くいってるんだね。
いーなぁ…」


麻美が携帯を見る


「…麻美は?」


「ウチは相変わらず。
まぁそれが一番なのかもね…
あ〜…あたしも仁志のとこ逢いにいこっかな」



ふふ(笑)

なんだかんだ言って麻美も幸せそうだよ?



「じゃあ…楓くんに“おめでとう”って伝えてね」


「ん。伝えとくね」



そう言って笑顔の麻美は仁志くんの元へと帰って行った。




そう。


今日は楓くんの



18歳の誕生日―――…









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