左手の約束



「まだ…本物買えるほど大人じゃねーけど…



……志保?」



あたしは何も言えないままブンブンと左右に首を振った。


もう涙で前が見えない。



「志保……?」


「今日は…楓くんの誕生日なんだよ……?」


あたしにプレゼントしてどうするの……



「だな…(笑)

だけど…“今”だって思ったんだ。
俺が今日ここにこうしていられるのは志保のおかげだから」



「楓く………」


あたしもだよ……











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