左手の約束
コトン
あれ……?
鞄からキラキラ光る物が落ちた。
それはあの時の『ゆびわ』
やだ
ちゃんとしまったはずなのに。
この前、机から取り出した時に落としちゃったのかな…
よかった…無くさなくて。
あたしはきゅっと指輪を握りしめた。
はぁ……
こんなんだから駄目なんだよね。
この『ゆびわ』も封印しなきゃな…
今日で最後にするから
今日だけあたしと一緒にいてね。
指輪の石が鈍く光った。
あたしはそっと
制服のポケットに
思い出の詰まった『ゆびわ』を
しまった。