左手の約束
あたしはそっとポケットから『ゆびわ』を取り出して
今日も綺麗な夕日に透かして見た。
「あは。ちっちゃいなぁ…」
もう
こうして見る事はないだろうな…
幼い幼いあたしの恋の唯一の支えだった。
「はぁ…」
あたしはポケットにしまおうと手を下ろした瞬間、
ドンッ
「わっ……」
幼稚園くらいの子供達が勢いよくぶつかって来た。
幸い子供達は転ぶ事もなく、ホッとした。
「おねえちゃん、ごめんね」
「いいよ。気をつけなきゃ駄目だよ?」
「はぁい」
…かわいいな(笑)
子供達は手を繋いで帰って行った。
あたし達もあのくらいの時だったな…