左手の約束
あ…れ?
掌を見ると、指輪がなくなってる。
もしかして、さっきぶつかった時に落としたのかも…
どうしよう…
その場を見渡すけれど見つからない。
指輪を捜すその姿はおかしかっただろう。
…こういう運命だったのかな。
神様が、諦めきれてなかったあたしへキッカケをくれたのかもしれない。
あたしは小さなため息をついて、その場を立ち上がりスカートに付いた埃を掃う。
「………これ?」
その時、下を向いていたあたしに差し出された
手。
その上には
小さな小さな『ゆびわ』