左手の約束
どうして…
数日後、あたしと麻美は駅前にいた。
「志保子ぉ…本当にいいの?」
「いーんだってば(笑)
もぉ何回目?」
「だって……」
今日は麻美の彼、仁志くんとその友達数人と遊ぶ事に。
女の子は麻美の友達で…ウチの学校の子。
いわゆる…ちょっとした合コンってゆーの?
前からそんな話はあったんだけど、
あたしはいつも断ってた。
そんなあたしの変化に、麻美はすごく心配してて。
「いーの。
そろそろ…現実を見なきゃね…」
あたしにも新しい恋が
できるかな……
「そっか……うん!
解った!!
きっとみんな喜ぶよ。
志保子絶対モテるから」
麻美が明るくあたしに言った。
ありがとね…麻美。
麻美は…あたしには昔から想ってる人がいるって知っていたから
余計に心配かけちゃっただろうな…
「いい人いるといいね」
「…だね」
一瞬、楓くんの顔が頭に浮かんだ。
駄目だよ…
あたしは掻き消すように頭をブンブンと振った。