左手の約束
パシッ
え………?
突然、手を掴まれた。
「ね♪二人で抜けよ?」
えっ!?!?!?
「ちょ…な、にっ!?」
あたしは何も出来ず引っ張られて部屋の外に。
みんなは結構盛り上がってたし、あたしは入口近くの席だったから気付く人もいなかった。
「ちょっと、やだ…」
「いーじゃん。志保子ちゃんつまんなそうだったし〜♪」
グイグイと腕を引っ張られる。
何…この人…っ!
「痛いからっ、離して…っ」
そう言っても聞く耳もたずでどんどん外へ向かって進んで行く。
やだ…怖いよ…
「やだぁ…」
涙が出そうだった。
どうしてこんな事に…
男の力にはどうやっても敵わなくて。
あたしは半ば諦めかけてた。