左手の約束
「オイ」
突然降ってきた声…
え…………?
「嫌がってんだろ」
グイッ
その瞬間、あたしの手は東くんから離れた。
かえ…で……くん……?
「誰?アンタ。
俺ら今から一緒に…」
「どー見ても拉致にしか見えなかったけど?」
そう行って東くんを睨む。
楓くんは背も高いから、東くんは圧倒されてた。
「だろ?」
その声にあたしは必死で頷いた。
言い返せないのか、東くんは唇を噛んでる。
「コラァ!東!!」
後ろから仁志くんの声が飛んだ。
「わ、仁志っ」
「お前っ!勝手な事してんなよ!!」
後ろから麻美も走ってきた。
「志保子っ!大丈夫だった!?」
「麻美……」
あたしは一気に力が抜けた。
良かった……