左手の約束
「さっきさ、志保子を助けてくれた人って…
A組の……」
「う……ん」
楓くん………
「志保子っ………!?」
あたしの目からは涙があふれてた。
「麻美ぃ……」
あたしは…もうどうしようもなくて
初めて楓くんとの事を麻美に話した。
「そうだったんだ…」
麻美はあたしの背中を優しく撫でながら聞いてくれた。
あたしはますます涙が止まらなくて。
「やっぱり…あたし…」
「うん」
「忘れ……るなんて……っく…
できな…………」
「うん」
麻美はぎゅっとあたしの肩を抱きしめてくれた。
指輪をなくした時…
無理矢理連れて行かれそうになった時…
2回とも、あたしが諦めかけてた時に楓くんは現れた。
神様………?
もう
想いは叶わないって解ってる。
だから…
せめてこの想いを忘れさせてはくれないのですか………?