左手の約束
遠距離…
だとしたらお互い辛いよね…
離ればなれになる辛さや淋しさは
あたしもよく解るから……
「ね、チャンスじゃない?」
「…麻美?
本気で怒るよ?」
「う…」
バツの悪い顔をしてノートを開いた。
あたしだってあんなに辛い思いはもうしたくないから…
楓くんは今どんな気持ちで毎日を過ごしてるんだろう。
あの時の辛さが込み上げる。
麻美に勉強しろって怒ったくせに
あたし自信がちっとも集中出来てなくて…
はぁ…
何してんのあたし。
「う〜解んない…」
問題を解いている麻美から苦しい声が…
必死だし(笑)
あたしも気合いを入れ直して
教科書をめくった。