左手の約束
「じゃーね」
「ん、また明日」
あたし達は図書館の前で別れてそれぞれの方向へ。
なんとか勉強も進んで良かった…
すっかり暗くなった道を歩く。
「おねーさん」
突然声をかけられた。
…おねーさん??
まわりを見渡しても誰もいないし…
あたし??
「そー君、君。
ねぇ、今一人?ヒマ??」
馴れ馴れしくあたしに近寄ってくる男。
ゾワッ
あの時の合コンと同じ悪寒が背筋に走る。
女子高生におねーさんとか言う!?
どう見ても同年代の軽そうな男。
「忙しいんで!」
あたしは強気な態度を取って前を通りすぎようとした。
「見た目と違って気強いんだ〜?
そーゆーギャップ好き♪」
好かれても困るんだけど…
「ひゃあっ…」
いきなり肩を引き寄せられた。