左手の約束
やだ
やだっ
「離してっ」
「やーだ♪」
気持ち悪い…
あの時といい…
なんであたしこうなの!?
自分にもイライラして
だけど自分の力じゃなんともならない。
「本当に離してよ…っ」
グイッ
え…………?
また
あの
感じ………
「離せよ。
コイツ俺のツレなんだけど。何か用?」
鋭く相手を睨み付ける
うそ……楓…くんだ…
「なんだよ男連れかよ…」
その瞬間、いとも簡単にあたしの前から逃げ去った男…
よ…良かったぁ………
「またアンタか…」
その声に見上げると
呆れ顔の楓くんがいた…