左手の約束



――――

――――――


『しほ』


あたしを呼ぶ声。


楓くん?


楓くんなの………?




だけど


あたしがいる場所は真っ暗で


手を伸ばしても空を切るばかり。



『かえでく…』


声が掠れて出ない。


やだ……


行かないで……



フワッ


その時、何かがあたしの頬に触れた。


あたたかく


とても優しく…



あたしは安心して目をつぶった…












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