左手の約束
「あたしミク!よろしくねっ」
「あー!ずるーい!!
あたしはサチコ♪」
「あたしは〜…」
………何なんだ?
転校生ってそんなに珍しいのか!?
俺は朝からの押し付け自己紹介と質問攻めにうんざりしていた。
「お前らウザイ。
いーかげんにしろよ」
そう言うのは、俺の前の席に座っていた男。
確か…北平?だっけ??
「そんなに質問攻めしてっと嫌われるぞ」
「え〜…
じゃあ最後に一つだけ。
ね?彼女いる??」
………彼女??
一瞬、幼かった頃の淡い思い出が頭をよぎる。
「あ〜…まぁ」
本当は彼女なんていないけど。
めんどくさくて適当に頷いた。
「そっかぁ……」
「ハイ残念〜!
ほらさっさと行け」
「もぅ!ウルサイ北平っ!!」
北平はシッシと手を振って追い払ってくれた(笑)