左手の約束


「はぁ〜〜…
助かった………」


思わず机に突っ伏した。


「ごくろーさん(笑)」


「サンキュー」


「どういたしまして」


コイツとは仲良くなれそうだ。



そんなこんなで始まった新生活。





……12年ぶりに戻って来たせいか


少し昔を思い出してしまった。



ここには昔の俺を知る人はいない。


そう思って地元の奴らがほぼ通わないであろう、じいちゃんの家から離れたこの学校を選んだ。



「一緒に行こーぜ」


「おぅ、助かる」


俺達はすっかり意気投合して立ち上がった。


だけど


それだけ。



他人には深入りはしない。



それが今までで生きてきて出した



俺の結論。












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