左手の約束


数日が過ぎたある日。
一日の授業が終わり、

クラスの奴らには用事があると言ってなんとか撒いて校門を出た。



「おねえちゃん、ごめんね」


「いいよ。気をつけなきゃ駄目だよ?」


「はぁい」



目の前には小さな子供達と

……志保の姿。


はぁ…どうしてまた…
やっぱり少し動揺してしまう。

そのまま通りすぎようとした瞬間、
突然、志保がしゃがみ込んだ。


……!?


周りを気にせず何かを探している様子に、俺は立ち止まった。


その時


目に飛び込んできた【キラリ】と光ったモノ。


俺は思わずそれを拾った。




……………!


これは……


あの、時の…


最後に俺が志保にあげた



今ではすっかり小さく見える

オモチャの『ゆびわ』…………












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