左手の約束


「じゃーね、志保子」


「うん。バイバイ」


いつもと同じ場所で麻美と別れて家へ帰る。



代わり映えのない


あたしの日常。



夕日がとっても綺麗だった。


楓くんと最後に逢ったのもこんな夕日だったな。



駄目だ…あたし。


完璧、依存症。


これじゃ完璧、ヤバイ人だよ。



なぜだか、最近ますます楓くんの事を思い出す。


どうして?


これじゃもっと楓くんでいっぱいになっちゃう。


忘れたくないけど


忘れたい。


忘れたいけど


…忘れたくない。


その


繰り返し。







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