左手の約束
駄目だ………
俺の中で警笛が鳴る。
まだ間に合う。
今なら思い出で済む。
なのに
目が志保を見つけてしまう。
……あの日はひどく志保の顔が青白かった。
この学校の集会はやたらと長く…
周りの奴らから文句が頻繁に出るほど。
確かに初めて集会に出た俺でさえそう思った。
一つ……気になるのは
志保の事。
A組の位置からだと姿は見えない。
見えないと余計に心配になる。
ハァ……
何やってんだ。
そして
やっと集会が終わり…
俺は無意識に志保を探していた。