左手の約束
ガラッ
…先生は不在で
俺はとりあえずベットに寝かせた。
「あたし先生呼んで来るっ!!」
そう言って志保の友達が保健室を出て行った。
志保………
相変わらず反応が無い。
あまりに悪い顔色に
思わず手を伸ばして触れてしまった。
冷たい……頬。
「ん………」
志保が少し吐息を漏らす。
バッ
慌てて手を引く。
今…何してた…!?
「クソッ…!」
俺はグシャグシャと前髪をかきあげる。
「先生っ!早くっ!!」
ガラッ
「あらあらっ!」
温和な感じの保健の先生がやってきて慌てて志保に近づく。
どうやら…貧血らしい。
志保の目尻には泣いた跡があった。
志保………?
傍にいたい衝動にかられたけど
俺は保健室から出た。
志保に触れた掌が
熱を持ったように
熱かった。