左手の約束
「いい気になんないで」
「………」
ここは人通りのめったにない3階のとある廊下。
「何とか言いなよ」
何とかって……
これは
…呼び…出し…?
どうやら、この間の体育館での出来事が発端らしく
あたしは今4人の女の子達に囲まれてる。
多分…楓くんと同じクラスの子。
「ちょっと、聞いてる!?」
怖い……
「いい気もなにも…あたしは…」
別にあたしと楓くんは…
「ただの幼なじみのくせに自分は特別だって勘違いしてるんじゃないの?」
鼻で笑うように一人の女の子が言った。
―――タダノオサナナジミノクセニ―――
その言葉があたしに重くのしかかる。