左手の約束
「やっぱ…志保だな(笑)」
「え…?」
「中身も変わってない。
…俺と違って」
どう言う事なんだろう…?
「考えなくていーから(笑)」
あたしの頭をくしゃくしゃに撫でる。
「え?え?楓くん〜?」
何だか変だよ……?
「どうして今まで…知らないふりなんてしてたの?」
あたしは聞きたかった事を楓くんに問いかけた。
「最初は驚いたよ。
だけどもう…昔の事だし、
本当は…志保が俺を覚えてない事を望んでた」
え………
な…んで…?
「それは…楓くんにとって嫌な思い出だったから………?」
もしかしたら…ってずっと考えたくなかった不安が広がっていく。
やだよ…
そんなふうに言わないで…
さっきの女の子達の言葉が頭の中を支配して行く。