左手の約束


「やっぱ…志保だな(笑)」


「え…?」


「中身も変わってない。

…俺と違って」


どう言う事なんだろう…?



「考えなくていーから(笑)」


あたしの頭をくしゃくしゃに撫でる。


「え?え?楓くん〜?」


何だか変だよ……?



「どうして今まで…知らないふりなんてしてたの?」


あたしは聞きたかった事を楓くんに問いかけた。




「最初は驚いたよ。

だけどもう…昔の事だし、

本当は…志保が俺を覚えてない事を望んでた」


え………

な…んで…?




「それは…楓くんにとって嫌な思い出だったから………?」



もしかしたら…ってずっと考えたくなかった不安が広がっていく。



やだよ…


そんなふうに言わないで…



さっきの女の子達の言葉が頭の中を支配して行く。











< 69 / 148 >

この作品をシェア

pagetop