左手の約束
東くん
「なぁんか…フクザツ…」
麻美は大好きなチョコレートのケーキを突っつきながらあたしに言った。
もう原型とどめてないんですけど(笑)
「本当に諦めちゃうの…?」
「またその話〜?
もういいんだって!
終わった事なんだから」
「でも…忘れられる…?」
「忘れようとは思わないよ。
だってあたしにはすごく大切な想い出だし…
飽くまでも、想い出だからね?」
あたしは自分でも驚くくらいスッキリしてた。