左手の約束
「笑った顔…初めて見た」
「えっ!?」
「この間…志保子ちゃん全然笑ってなかっただろ?
ずっと苦しそうだった。
だから余計に…気になったんだ」
あたしそんなふうに見えてたの…?
「やっぱり可愛い!!!」
「きゃあ!!」
突然抱き着かれそうになって何とか避けた。
「あ゙っ…ごめんっ!!!可愛いくてつい…」
やっぱりこの人油断ならない。
だけどもう、不思議とあの時のような恐怖感はなかった。
「笑ってた方がいいよ」
「大きなお世話っ!」
あたしは少し睨みながら言った。
「怖くねぇし♪」
何なのこの人…
でも…まぁいっか?
だってあたし
笑ってるし。