左手の約束
「そんな淋しそうに笑うなよ…」
…そう言う東くんも淋しそうだよ?
「本当にごめんなさい。
そんな事言ってもらえて嬉しかった。
じゃあ……」
帰るね。ってもう一度言おうとした、その時…
「諦めないから」
真剣な目であたしを見る。
「…ふ(笑)
だから身構えなくても何もしないって。
今すぐ付き合ってほしいなんて言わないって言っただろ?
ただ…知ってほしかったんだ」
「そんな…」
困るよ…
「今は友達でいいから」
「………」
「じゃあまた!!」
笑顔で東くんは行ってしまった。
本当に…困るよ……
どうしたらいいか解らない。
あたしはその場に立ちすくんでいた。