左手の約束


次の日、教室に入ると


何やら女の子達がざわついていた。


…………?


「志保子、おはよ〜」


その女子の集団にいた麻美が、あたしに気付いて近づいてきた。


「おはよー。何?どしたの?」


「ホラ、言ったでしょ?
例のイケメン転校生くん。
今日から来てるって」


「ああ…」


そんな事言ってたっけ…


「もぉ、つまんないなぁ。
ま、志保子だから仕方ないっか」


「ハイハイ、すみませんね…」


あたしは苦笑いするしかない。


だって


しょうがないじゃん。




「彼、倉石 楓(くらいし かえで)くんって言うんだって!」」


ドクン


クラスの女の子の一人が、そのイケメン転校生の名前を言った。



え…………?


今、なんて………?











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