左手の約束
そんな事があってから…
アイツは度々志保を待って校門の前に立っていた。
その姿を見る度に
俺は自分がすごく駄目なヤツに思えて
…いや、実際駄目なヤツだよな。
「あははっ(笑)」
「あ!笑った!!」
―――志保の
笑い声がする……
すぐ反応してしまう自分。
その時
……ふと
目が合った。
志保は驚いたように俺を見てる。
―――ドクン
俺の心臓が一層激しく動き出す。
……駄目だろ。
俺は志保から目を逸らし、何もなかったように
その場を離れた。