私の中の眠れるワタシ

待って!待って!
家には帰りたくない!

先生を、がっかりさせたから?

違う、違います!

嫌じゃないの!
ただ……



美月みたいな、赤い痣が、私の青や黒の痣の上に、更に重なる事が……


『コワイ』の!!

そんなふうに、物も言えなくなった私の唇を捨てて心の中で叫んでも。

もう先生は、こちらを見ない。


心の声も、届かなくなっていた。


「着いたよ。また明日。」


もう少し時間下さい!!
覚悟、決めますから!!
もう一度、チャンスを下さい!!


……すがるように、先生を見つめても。

もう、先生は、早く車を降りるように促す、いつもの先生の顔に戻っていた。



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