私の中の眠れるワタシ
−−夜。
心地よい汗をかいて、私は帰宅する。
真也が先に帰ってきているようだ。
私は鼻歌まじりで、機嫌良く、自分の部屋に入る。
そこで、ぎょっとした。
……真也が、私の机に座っている。
「あんた、何してるの?!ちょっと!勝手に人の部屋、入らないでよ!!」
真也は、こちらを振り返り、手に持っていた紙をヒラヒラとさせた。
「ねーちゃん、マジで??ヤバイよ、これは。マジでヤバイ!!」
真也は冷やかすようにそう言うと、私を見ながらニタニタ笑い続けた。
−−嘘でしょ?それ、まさか、昨日捨てた手紙??
目を疑った。
でも、その手には紛れも無く昨日私が書きかけた、『ラブレター』らしき物が。
私は真也に飛びかかった。
「おっと!渡さないよ!」
「それ返してよ!学校の課題で……」
「相田は俺の担任だぜ?なんで?…ねーちゃんは、テニスもヘタクソけど、嘘もヘタクソだなぁ。」
−−内緒にしてほしいなら。
余裕たっぷりの表情で、こう言った。