私の中の眠れるワタシ
それをきっと颯生も、血だらけの浴室で、見ただろう。
ワタシの決意の中で集められた、大切な物のなかに、颯生はいなかった事を。
でも、お互い様だよ。
あなたもずっと、来なかったじゃない。
今朝、仕事に行かないで、一人にしないで、とワガママを言ったワタシは、夕方には一人で、一人きりになろうとしていた。
大切なはずの、颯生抜きで。
だから颯生が、バスルームに駆け込んで来た時、全くなんの感情も沸かなかった。