私の中の眠れるワタシ
あんなイイ子が、どうしてうちの弟と??
信じられないし、信じたくない。
「そこでだ。俺の帰りが遅かったり、外泊するような事があったら。」
「許さないに決まってるでしょ。」
「バーカ。お前の手紙も、明日は茶の間のテーブルの上、だぜ。」
私は絶句した。
「お母さんには、うまく言ってごまかしてくれよ。学校の行事だとかなんとか、口裏合わせてくれるだけで、いいから。とりあえずは。」
「サナミを傷つけるような事したら、許さないから!あんたの事、本当にずっと許さないよ!!」
弟は、そんな熱くなる私を見て、呆れていた。
「好きという事は、大切にするって事じゃねー?」
ねーちゃんは、まともに誰か好きになった事あんのか?いや、ないな……とぶつぶつ一人で私を馬鹿にしながら、
「とにかく、いいか?守れよ?取引。この手紙は、人質として預かる。」
私は、断れるはずがない。
諦めて、頷く。
ワタシの相田先生、人質になってしまった。