私の中の眠れるワタシ
「ね、この前のハナシ!あれ、どうなった?」
一瞬、混乱する。
ハナシって、どれ?なんの?
沈黙する私に、
「ほら、高田さんの……先生に言ってくれた?」
ああ、それね。そうだった。
「いや、言ってないよ。まだこの前聞いたばっかりじゃない。」
「蜜ってさ、部活でも気になる事あったらソッコー注意するじゃん。だからそういうの、即、警告してくれそうだからさ。」
なんか、会話がうまくできない。先生の話をされていると、私の恋にとやかく言われているような、嫌な気持ち。
まだ、一人で話を続けるサナミに、つい
「ま、関係ないしな、私は。」
と、口をはさむ。
「関係なくはないでしょ。部活の顧問だし、テニス部だって……」
「だから、それだけじゃない。テニス部はもうすぐ引退。部長もあと少し。先生がどうなろうと、私は……」
「嘘つきだね、蜜は。」
強い口調で、はっきりとサナミは言った。