私の中の眠れるワタシ
「どうして?なんでさ。」
「蜜、先生の事、好きなんでしょ?」
私は固まってしまう。
なんて言えばいいのか。なぜサナミがその事を?
「私は、蜜が誰を好きでもいいよ。だからどうしたって事だよ。でもね、そのせいで、苦しんでいるのは、見てて辛いよ。
誰かに相談したり、それで気持ちの整理が自分でつけられるなら、それでもいい。
……だけど、蜜は、できていないじゃない。」
「相談なんて、なんの意味もない。」
私は否定する事も忘れて言った。
「誰かにわかってもらったところで、何があるっていうの。付き合ったり離れたり、そんな普通の事も叶わないのに。何を相談すればいいの。
サナミだって……」
もう、感情が止められなかった。
「私に隠してたくせに!」
私は一人で、走り出した。
後ろから、サナミの声がする。
でも、追っては来なかった。
「ただいま。」
ぐったりした。たいした距離を走ったわけでもないのに。
疲れて、呼吸が早くなって、もうどこでもいいから、倒れ込みたい。