私の中の眠れるワタシ

何故、先生の事を知っていたのか??

サナミは真也から聞いたのだろうか?

真也、言わないって言ってたくせに。やっぱり嘘つきだ。誰も信用できないや。

……サナミも。私が好きな事知ってて、美月と先生の事私に教えるなんて、ひどい。

部活のためって言ってたくせに。私のためみたいな言い方、最後にした。

私の事、いろいろ詮索しないところ、好きだったのに。
これじゃ、交換日記で毎回、私に好きな人はいないのか、なんとか君はナーガが好きだとか、適当な事言ってくるアイツラと変わらないじゃない。

私の事、心配するふりして。
自分は彼氏ができて、幸せだからって!

私が相談できるような友達も、いないような事言って……!


つくづく情けなかった。同情された?
いや、それだけじゃなくて、馬鹿にされたんだ……



思考回路のスイッチが、どうかしてしまったようだった。
あんなにイイヤツだと思ったサナミまで、憎たらしくて、どうしようもない。


−−幸福と、不幸。


たったそれだけの事が、同じラケットをにぎり、同じコートに立ってきた私達を、ネットの向こう側とこちら側に、分断するようだった。



< 115 / 433 >

この作品をシェア

pagetop