私の中の眠れるワタシ
何故、先生の事を知っていたのか??
サナミは真也から聞いたのだろうか?
真也、言わないって言ってたくせに。やっぱり嘘つきだ。誰も信用できないや。
……サナミも。私が好きな事知ってて、美月と先生の事私に教えるなんて、ひどい。
部活のためって言ってたくせに。私のためみたいな言い方、最後にした。
私の事、いろいろ詮索しないところ、好きだったのに。
これじゃ、交換日記で毎回、私に好きな人はいないのか、なんとか君はナーガが好きだとか、適当な事言ってくるアイツラと変わらないじゃない。
私の事、心配するふりして。
自分は彼氏ができて、幸せだからって!
私が相談できるような友達も、いないような事言って……!
つくづく情けなかった。同情された?
いや、それだけじゃなくて、馬鹿にされたんだ……
思考回路のスイッチが、どうかしてしまったようだった。
あんなにイイヤツだと思ったサナミまで、憎たらしくて、どうしようもない。
−−幸福と、不幸。
たったそれだけの事が、同じラケットをにぎり、同じコートに立ってきた私達を、ネットの向こう側とこちら側に、分断するようだった。