私の中の眠れるワタシ
翌日。
サナミは休んだ。
私は、こうなるような気がしてた。
サナミは卑怯だから、きっと休むだろうって。
でも、そんな時にかぎって。
「長崎、すまない。これ福永の家に届けてもらえないか。」
サナミの家に届け物?私が?
「明日じゃ、だめな物ですか。私以外の人に頼まないんですか。」
相田先生の頼み事でも、素直に聞けない自分がいた。
「うーん。福永の家、おじいさんが亡くなったみたいで、あと二、三日は休むと思うからな……。
試合までに、時間がないから、目を通しておいてもらいたい資料があるんだ。もちろん、長崎にも読んでもらいたいし、今日全員に配るよ。
帰り道だろ、福永の家。お前ペアなんだし、励ましてやれよ。」
不幸があったのは知らなかった。そうなんだ……。
私は受け取った。とにかく、渡せばいいだけだ。
そう思うことにした。
サナミの家が近づく。