私の中の眠れるワタシ

大会が終わり、結果。

私達は、県大会まで進めなかった。

後輩達が信じられないと皆、私達の代の卒部を寂しがり、泣いた。

私だって悔しかった。だけど、終わったものはしょうがない。


その日のうちに、次の部長が発表された。


一年前のあの日から。

私は何が変わったのだろう。

あの頃は、ただひたすら部長を目指していた。

家庭の私とは、違う私。
学校の中で、優等生として君臨する私。

今まで、自分の思い通りになってきた。

だけど。
本当に望む舞台の主役には、一度もなれる事はなく、『人の恋』というドラマの視聴者として過ごしてきた、だけ。


今でも、ずっと先生の事は好きだった。

先生は、ありとあらゆる相談を私にしてくれていた。

複雑な気持ちではあったけど。どんな話でも、私にだけしてくれるのは、嬉しかった。



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