私の中の眠れるワタシ

もうだいぶ、暗くなってきた。いつもなら、そろそろペアを決めて乱打や練習試合を始める頃だ。

「何してんだ、みんな……」

余計なお世話とは重々承知。だけど、つい顔をだしたくなった。


コートに近づくと、激しく言い合ってる声が聞こえてきた。
でも私の姿が見えたら、一人が気付くと全員気付き、大きな声で挨拶し、何事もなかったように振る舞った。


「何してるの?練習は?」

一年生がホッと顔を見合わせているのを、見逃さない。新しい部長をコートの外に呼んだ。

黙って出てくるので、私はコートの中に向かって指示を与え、練習は仕方なしに再開される。


「どうした?委員会が終わって窓からみたらさ。なんか変な雰囲気だったから。」

「はい……。えー、なんといいますか……。」

言葉を選びながら説明を始める。

何度も言いにくそうにしながら話を続けたが、要はこうだ。



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