私の中の眠れるワタシ

香川は口早に、こう言った。

「お願いがあります。
長崎先輩から今回の事、相田先生に相談してもらえませんか。」

「え?私が?」

突然の展開に驚く。

「はい。申し訳ないとは思ってます。だけど、私が今先生に相談したら、ますます皆、チクったとかどうとか言われそうで……」

それも、たしかに。

悩むところではあったが、私からもお願いがあると言った。

「シメの挨拶の時、いつも先生、OBに一言話す時間くれるでしょ。
きっとみんな今、香川が私に部活のグチ言っただろうって思ってると思うの。
だから私、みんなのカタを持つような事言うけど、それはそれとして、受け入れて。

私がみんなに注意しても、結局今だけになっちゃう。だから、先生にキツク注意してもらうよう、話すから。

何かあったら、また相談して!」

香川は笑顔になった。


なにも知らず、先生はやってきた。



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