私の中の眠れるワタシ
「おー!長崎!悪いな!練習みてもらっていたのか?」
コートの中に入りながら、皆に声をかける。
皆、無反応。
先生は気にする様子もなく、練習を少しみてから
「よーし、今日はここまで。片付けろー!!」
皆、不安そうに片付け始める。
私が、テニスシューズを履いていないので、
「練習見に来たんじゃないのか?」
コートから出てきて、不思議そうに聞く。
香川は、もうコートの中に戻り、コートの外で先生と二人だったので、
「相談があります。今日まだ学校に残りますか?」
と尋ねる。
「ああ、まだやることあるから、いるつもりだったけど……どうした?」
「はい、後で。」
そこまで話したところで、みんなコートからでてくる。
始まる時の挨拶、準備運動、終礼、今日の反省、連絡事項は、コートの外にある広場で行っていた。
以前の先生と違い、相田先生はコートをとても大切にした。
テニスシューズを履かないで入る事や、テニス以外の事をコート内でやるのを許さなかった。