私の中の眠れるワタシ
痕が残るかもしれない。
まだまだ血が止まらないようだ。
そばに座った母に叱られる。ワタシが我に返っていた、良いタイミングだった。
どうしちゃったのかという困惑と、ひたすら命を粗末にした為の罵声だ。
ぼんやりと、手首を濃いピンク色のタオルで止血しながら、すぐに言葉が口をついてでる。
「ごめんなさい。
ゴメンナサイ。
もうしません、モウシマセン。
心配かけてごめんなさいゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ……」
母親も、ワタシも泣いていた。
二人で一つの出来事に、同じ思いの涙を流した事は、もしかしたら初めてかもしれない。
……と思う。
ワタシがあまりにも、幼く繰り返すので、いたたまれなくなったのか、
「もう、少し休みなさい」
と、言葉を遮り布団へと促した。